センセイと一緒【完】
鈴菜は無意識のうちに口元を押さえた。
頬が紅くなる。
けれど直樹には彼女がいるはずだ。
彼女がいるのにどうして……
と思っていた、その時。
「……ちょっと、あんた」
横から声を掛けられ、鈴菜はびくっと背筋を伸ばした。
見ると、鈴菜のすぐ傍に浜田さんが中腰で座っている。
……その刺すような視線。
鈴菜は息を飲んだ。
「あんたさっき、直樹君と同じ布団に入ってなかった?」
「……っ」
「暗かったけど、はっきり見たわよ。あんたが直樹君の布団から出てくるところ」
言い、浜田さんは鈴菜の肩を思い切り突き飛ばした。
衝撃で倒れた鈴菜の頭を、バシッと叩く。
鈴菜は驚き、呆然と浜田さんを見上げた。