センセイと一緒【完】
<side.直樹>
部屋の隅の方から、鈴菜と和泉の楽しげな声が聞こえる。
直樹は粘土を整形しながら、昨日の夜のことを思い出した。
全ては偶然だった。
鈴菜が自分の部屋に来たのも、トランプで自分の隣になったのも。
――――あの時。
暗闇の中でとっさに体が動いていた。
鈴菜を抱き寄せて……
そして熱情に突き動かされるまま、唇を重ねていた。
「……っ」
思い出すだけで体が熱くなる。
鈴菜の腰、肩、胸……
思っていたより華奢な躰。
体から立ち上っていた石鹸の香り。
……そして、柔らかい唇。