センセイと一緒【完】
『昔から、兄貴の頭の中は変わってないよ。見てくれは変わったかもしれないけど、中身は同じさ』
いつかの和泉の言葉を思い出す。
……そうかもしれない。
くすりと笑った鈴菜に、やがて柊史は向き直った。
「で、何だ? オレに何か用か?」
「あ、はい。……その……」
柊史の言葉に、鈴菜はしばし考えた。
……何と言えばいいのか。
遠まわしに聞く、などということは鈴菜にはできない。
となれば聞きたいことをそのまま聞くしかない。
「あの、先生。ちょっと聞きたいことがあって……」
「何だ?」
「……あの。男の人は、付き合っている人がいても、他の女の人にキスしたりするんですか?」