センセイと一緒【完】
「……言え」
「……っ、先生……」
「あいつか? 笠原か?」
言い逃れは許さないとでも言うかのようなその視線。
鈴菜は柊史を見上げたまま、思わずこくりと頷いた。
そんな鈴菜に、柊史はうっすら微笑んで顔を近づける。
鋭くもどことなく艶っぽい瞳に、鈴菜は息を飲んだ。
柊史は鈴菜の視線の前で、その形の良い唇を動かして囁くように言う。
「キスなんてのはな。ただ体の器官を触れ合わせるだけの行為だ」
「……え?」
「一般的には生殖行為の前戯なんだろうが、生殖行為としては何の意味もねぇ」
柊史の言葉、鈴菜は目を見開いた。
……何の意味も、ない。
意外な言葉に、鈴菜は動揺し言葉を詰まらせた。
そんな鈴菜にさらに顔を近づけ、柊史は言う。