センセイと一緒【完】
「……って何考えてるんだろう、私」
鈴菜は首を振り、海の向こうの島を眺めた。
海から渡ってくる風が頬に心地よい。
「あの島、遠いのかな……」
と呟いた時。
背後から足音がし、鈴菜は振り返った。
「あれは、伊江島ですね」
尚哉だ。
尚哉は鈴菜の隣に立ち、眼下に広がる景色を眺めた。
……その端整な横顔。
鈴菜は慌てて海の方に視線を戻した。
「あの島は船ですぐ行ける離島として人気が高いようです。それに戦争などの史跡もあり、修学旅行でも人気のスポットのようですよ」
「へぇ……」
「あと一日あれば、コースに組み込んでも良かったかもしれませんね?」