センセイと一緒【完】

どこまで聞いていいものか微妙な感じではあるが……。

けれど尚哉が話したいのなら、自分は聞きたい。

前に尚哉が失恋した自分を温かく見守ってくれたように。

と内心で考えていた鈴菜に、尚哉は少し笑って言う。


「……僕はこう見えて、実はかなり執念深い人間で、独占欲も強いんです」

「……え?」


意外な感じだ。

驚く鈴菜に、尚哉はくすりと笑って続ける。


「彼女が僕のことを思い出したら、僕はどんなことをしてでも彼女を手に入れようとするでしょうね」

「……」

「けれど彼女と僕は、立場が違う。もしそうなったら、僕は彼女の人生を壊してしまうかもしれません。それは絶対に許されません」

「……」

「だから今は、想いを押さえているしかない。……そうする以外にないんです」