センセイと一緒【完】
生徒会長には観察力も必要なのだろうか。
直樹がこうして自分を見てくれていたというのはちょっと嬉しい。
頬を染めて俯いた鈴菜に、直樹はメモのような紙を差し出す。
「これ。ネタになりそうなものを集めてみたんだ」
「へぇ……。いろいろあるね?」
「今月は始業式ぐらいしかないし、しかももう終わってるからね。来月の文化祭を特集した方がいいかな?」
「そうだね。出し物の案内とか、展示の案内とかかな?」
二人は話し合いながら学級新聞の内容を決めていった。
だいたい案がまとまったところで、直樹が文章にし、鈴菜が清書していく。
――――2時間後。
学級新聞の原稿が無事に出来上がった。
「出来たー!」
「ありがとう、森下さん。助かったよ」
にこりと直樹が微笑む。
その笑顔にドキッとした、その時。
教室のドアがガラッと開き、同じクラスの浜田さんが入ってきた。
浜田さんはバッチリ化粧をした可愛らしい顔つきの子で、テニス部に所属している。
直樹のファンとしても有名で、鈴菜は席替えで直樹の隣になって以来、たまに鋭い視線を感じることがある。