センセイと一緒【完】




浜田さんは踵を返し、布団の方へと戻っていく。

鈴菜は青ざめ、ぐっと拳を握りしめた。

……どうしよう。

しかしなんとか中に入れてもらうしかない。

鈴菜はドンドンと窓を叩いた。

……その時。


隣の部屋のベランダの窓が、ガラッと開いた。

中から出てきたのは……


「鈴っ?」


……和泉だった。

ジャージ姿の和泉は鈴菜の姿をしばし見つめた後、状況を理解したらしく、その目をカッと見開いた。

切れ長の瞳に宿る怒りの感情。

鈴菜は青ざめた。

……まずい。

と思う鈴菜の視線の先で、和泉は踵を返す。


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