センセイと一緒【完】
言い、和泉は浜田さんを突き飛ばし、腕を組んだ。
……その酷薄な笑み。
やがて騒動を聞きつけた他の部屋の人達や見回りの先生が部屋の前に駆け付けたが、和泉はそれを気にする様子もなく、続ける。
「逆恨みもここまでくると笑えるね。笠原に見てほしいなら、笠原にアピールしなよ?」
「……」
「あたしは鈴を傷つける奴は許せない。……それは鈴があたしのファンだからじゃない。あたしの友達だからだ!」
和泉の言葉に、窓越しで聞いていた鈴菜はぐっと手を握りしめた。
……胸が熱くなる。
そんな鈴菜の視線の前で和泉は浜田さんを見下ろし、言った。
「覚えておきな、浜田。今度こんなことをしたら、あたしの全身全霊でもってあんたを排除してやる」
「……っ、芹沢さん……」
「言っとくけど、容赦はしないよ。容赦なんて言葉、あたしの中にはないからね」
和泉は言い捨て、ベランダの方へと向かった。
ガチャ、とカギを開ける。
鈴菜は慌てて部屋の中に入り、和泉を見上げた。