センセイと一緒【完】



「……ありがと、和泉」

「大丈夫? 鈴」

「うん、大丈夫。ありがと」


和泉は鈴菜の顔を見、ほっと肩を下ろした。

そのまま踵を返し、部屋を出ていく。

鈴菜の視線の先で、和泉は部屋の前に集まっていたギャラリーに苦笑し、口を開いた。


「騒いでしまってすみません。もう終わりましたので」

「……何があった、芹沢?」

「後で、あたしから黒瀬先生に説明しておきます」


と言い、部屋に戻りかけた和泉だったが。

廊下に直樹の姿があることに気付き、眉を上げた。

皆の視線を集める中、和泉はスタスタと直樹に歩み寄る。

そして、直樹の耳元で囁いた。



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