センセイと一緒【完】



15分後。


「……」


柊史は無言でグラスを傾けた。

既に和泉は部屋に戻り、この場にいるのは教師だけだ。

……そして。

和泉の話を聞いた尚哉も、神妙そうな顔でグラスをじっと見つめている。


「……黒瀬。今の話だけど……」

「……」


柊史ははぁと息をつき、グラスを置いた。

まさか鈴菜がそんな目に遭っていたとは思わなかった。

直樹に失恋しただけでも痛手だろうに、その傷口に塩を塗りこまれるようなことをされていたとは……。

もっと生徒を見ているべきだった。

自責の思いが柊史の胸にこみ上げる。



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