センセイと一緒【完】




その美しく飛ぶ姿をずっと見ていたい。

鈴菜がずっと美しい世界を飛んで行けるように……

あの澄んだ瞳を、純粋な心を、持ち続けていられるように……

自分の全てで、守りたい。

ずっと昔から、鈴菜は柊史にとって触れてはならない不可侵の聖域だ。


しかし、そう思う一方で……

あの綺麗な羽をもぎ、心のままに奪い、自分のものにしたいと思う自分がいる。


――――もう、自分自身を誤魔化すことはできない。


今、自分は鈴菜の担任だ。

そもそもこんな想いを抱くこと自体、許されない。

鈴菜を本気で求めたら、全てが壊れてしまう。

それに……

鈴菜は自分のことを担任だと思っている。

良くて『親友の兄』だろう。



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