センセイと一緒【完】
「なぜお前がそんなことを気にする?」
「おれは彼女の部活の顧問だからね。部員の動向は、把握しておく必要がある」
さらっと尚哉は言う。
柊史は内心で舌打ちをした。
……この男が何を考えているのかは昔からよくわからない。
が。
鈴菜が所属する歴史研究部の顧問であるということ以上に、何か……
何か、あるような気がする。
「……」
柊史は無言で尚哉をじっと見据えた。
感情の見えないその横顔。
柊史はじっと尚哉の顔を見つめながら、グラスを傾けた。
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