センセイと一緒【完】
六章
1.期末試験
3月。
修学旅行が終わった後。
鈴菜は期末試験を控え、勉強漬けの日々を送っていた。
2年生最後の試験。
この試験が終われば卒業式と終業式がある。
「卒業式、か……」
廊下の掲示板を見上げ、鈴菜は呟いた。
4月からは自分も3年だ。
3年からは文系・理系に分かれ、7月からはさらに国立文系・私立文系でクラスが編成される。
ちなみに特進コースというものもあるが、それは少し難易度の高い学校を狙うもので、補講の数も他のクラスに比べて多くなる。
鈴菜は文系というのは決めているが、国立文系・私立文系のどちらにするのかは決めていない。
両親は国立文系をしきりに勧めてくるが……。
もし私立文系に行きたいのなら、奨学金の申し込みは必須だ。
そろそろちゃんと考えなければならない。
鈴菜ははぁと息をつき、踵を返した。