センセイと一緒【完】
水曜の2限目。
鈴菜は日本史の教科書を確認しながらノートに黒板の文字を書き写していた。
今日は期末テストの前ということもあり、これまでの復習が主だ。
教壇の上で尚哉が教科書を片手に黒板を指差す。
「ここ、出しますからね。しっかり勉強しておいてくださいね」
鈴菜は言われた部分を書き写し、蛍光ペンで印をつけた。
尚哉が出すと言った場所は100%、確実に出る。
……これが柊史だったら出なかったりすることもあるのだが。
鈴菜は日本史の成績はわりと良いほうだ。
ちなみに最も良いのは国語で、最も悪いのは数学。
生物は可も不可もなくといったところだろうか。
「では次、180ページ。天保の改革について……」
尚哉の声が教室に響く。
鈴菜はその声を聴きながら、必死にノートにペンを走らせていた。