センセイと一緒【完】

2.それぞれの想い




<side.直樹>



教壇の上で尚哉が参考資料を片手に説明を始める。

直樹はそれを聞きながらノートに内容を書きとっていた。

もうすぐ期末試験だ。

そして4月からは、文系・理系ごとにクラスが分かれる。

直樹は理系志望で、7月からは特進コースに進む予定だ。


――――鈴菜は文系志望だ。

そして恐らく、特進コースには進まないだろう。

つまり……

鈴菜と一緒のクラスに居られるのは、今月が最後となる。


「……」


直樹はぐっと拳を握りしめた。

卒業旅行のあの日。

和泉に言われた言葉が胸によぎる。


< 230 / 294 >

この作品をシェア

pagetop