センセイと一緒【完】
<side.和泉>
月曜の放課後。
和泉はジャージ姿で弓道場へと向かっていた。
今日は新学期になってから初めての部活だ。
見学に来る新入生もいるだろう。
そのせいかどうかはわからないが、今日は副顧問の尚哉も顔を見せるらしい。
弓道部の活動は月曜と水曜だが、尚哉は普段、水曜のみ弓道部に参加している。
「……」
和泉は尚哉の白皙の顔を脳裏に思い浮かべた。
……何を考えているのかわからない、常に冷静なあの顔。
けれど。
弓道場や、修学旅行で尚哉が鈴菜に向けていた目は……。
あれは普通の、教師が生徒に向ける目ではない。
尚哉は鈴菜を大事に想っている。
それが教師としてなのか、それとも一人の女性としてなのかはわからないが……。
それだけはわかる。