センセイと一緒【完】
それにしても。
鈴菜の鈍感ぶりも、こうなるとちょっとまずいような気もしてくる。
小学校の頃も鈴菜に想いを寄せる男子生徒はいた。
あの純粋な瞳、無垢な心は友人の和泉から見ても可愛いと思う。
男から見ればなおさらだろう。
と、体育館の裏を通りかかった時。
見覚えのある人影を見つけ、和泉は眉を上げた。
……あれは。
直樹と、浜田のようだ。
俯く彼女に、直樹は一言、二言話している。
「君が森下さんにしていたことを、俺は許すことはできない」
「……直樹君……」
「森下さんは何も悪くない。森下さんが俺に近づいたんじゃない。俺が、森下さんに近づいたんだ」