センセイと一緒【完】
「ようやく区切りがついたようだね。立ち回り方がまずすぎるんだよ、あんた」
「……」
「ま、あんたのせいとばかりも言えないけど。まぁあたしとしちゃ、鈴が無事に学校生活を送れるなら、それでいいよ」
「……」
「で、どうすんの? 鈴のこと……諦めンの?」
和泉の言葉に。
直樹ははっきりと首を振った。
それを見、和泉は口元に笑みを浮かべた。
「……そ。じゃ、頑張んなよ?」
「……芹沢……」
「言っとくけど、ライバルは多いよ? 多分あんたは気付いてないだろうけど、猛獣レベルの奴が2匹いる。うかうかしてるとあっという間に取られるよ?」
それは和泉なりのエールだった。
直樹は怪訝そうな顔をし、和泉を見ている。
和泉はくすりと笑い、ぽんと直樹の肩を叩いて踵を返した。
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