センセイと一緒【完】
3.オレが守る
放課後。
鈴菜は前回と同じ進路調査票を片手に、進路指導室へと向かっていた。
4月の初め。
3年の生徒は全員、担任教師と今時点での進路について確認するため、面談を行うことになっている。
進路指導室に来るのはあの時以来だ。
確か今回も同じAブースのはずだ。
コンコン、とノックして入ると、中に柊史の姿が見えた。
「森下か。座れ」
柊史はファイルから鈴菜の成績表を取り出し、広げた。
……その艶やかな黒髪、眼鏡の奥の漆黒の瞳、精悍な頬……
鈴菜はなぜか気恥ずかしくなり、慌てて俯いた。
……あの時。
至近距離で柊史の顔を見たことをなぜか思い出してしまう。
昔から端整な顔立ちだった柊史。
昔は子供だったのであまり思いもしなかったが、高校生になった今、こうしてみるとやはり柊史は格好いいと思う。