センセイと一緒【完】
「前回の期末の成績は、まずまずだったな」
「……はい」
「あともう少し、数学の成績が良ければ国立も狙えるだろう」
柊史はペンを片手にファイルに何やら書いている。
鈴菜は机の上の成績表と進路調査票を見比べた。
前回の期末テストはかなり頑張って勉強したので中間の落ち込みから多少挽回できた。
が、けっこう勉強したはずなのに思ったより成績は伸びなかった。
やはり3年を迎え、他の皆も勉強に力を入れだしたのだろう。
もっと頑張らねばと思う鈴菜の前で、柊史がペンを止めた。
「……ところで、森下」
「はい」
「浜田の件だが、あれから何かあったか?」
柊史の言葉に、鈴菜は驚いて眉を上げた。
和泉から柊史に報告したとは聞いていたが……。
首を振る鈴菜に、柊史はひとつ息をついて言う。