センセイと一緒【完】
鈴菜は呆然と柊史を見つめていた。
……危険だ、と本能が告げる。
これ以上踏み込んでは危険だ、と……。
けれど目が離せない。
やがて柊史はくすりと笑い、鈴菜の頬から手を離した。
鈴菜ははっと我に返り、慌てて背筋を伸ばす。
……なんだか恥ずかしい。
「さあ、教室に戻れ、鈴」
「……っ、は、はい……」
鈴菜は進路調査票を手に椅子から立ち上がった。
ぼうっとした頭のまま、ぺこりと頭を下げてブースから出る。
鈴菜はブースから出たところで大きく息をついた。
……何だったんだろう、今のは。
鈴菜は首を傾げながら廊下の方へと歩いていった。