センセイと一緒【完】



鈴菜は呆然と柊史を見つめていた。

……危険だ、と本能が告げる。

これ以上踏み込んでは危険だ、と……。

けれど目が離せない。


やがて柊史はくすりと笑い、鈴菜の頬から手を離した。

鈴菜ははっと我に返り、慌てて背筋を伸ばす。

……なんだか恥ずかしい。


「さあ、教室に戻れ、鈴」

「……っ、は、はい……」


鈴菜は進路調査票を手に椅子から立ち上がった。

ぼうっとした頭のまま、ぺこりと頭を下げてブースから出る。

鈴菜はブースから出たところで大きく息をついた。


……何だったんだろう、今のは。


鈴菜は首を傾げながら廊下の方へと歩いていった。



< 253 / 294 >

この作品をシェア

pagetop