センセイと一緒【完】




鈴菜は聞きながら、胸の奥から何かがぐっとせり上がってくるのを感じていた。

……ひどく胸を打つ詩だ。

それは……読んでいるのが尚哉だから、ということもあるのかもしれない。

尚哉がこの詩を好む理由が、なんとなくわかる気がする。


届かない想い。

悲痛な叫び。

過去の自分への後悔。

……きっとこの詩は、白崎先生の心中を表しているのだろう。

そんな気がする。

鈴菜はそんなことを思いながら、尚哉の朗読を聞いていた。


< 256 / 294 >

この作品をシェア

pagetop