センセイと一緒【完】



歴史研究部が終わった後。

鈴菜は新入部員の相良さんとともに図書室に資料を戻しに行った。

相良さんは今年の4月に桜羽南高校に入学し、一週間ほど前に歴史研究部に入った。

少しミーハーな感じの子で、尚哉が目当てで入部したと憚らずに言うなかなかの強者だ。

けれど鈴菜は修学旅行であの光景を目撃している。

もし将来、相良さんが本気になり、告白したら……。

また尚哉はああして断るのだろうか。


「……」


自分が気にしてもどうしようもないことではあるが……。

などということを考えながら廊下を歩く鈴菜に、相良さんが話しかけてきた。


「ねぇ、森下先輩っ?」

「……?」

「白崎先生は、彼女とかいるんですか?」

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