センセイと一緒【完】
首を傾げる鈴菜に、相良さんは言う。
「それにしても、白崎先生って格好いいですよね。あたし、ファンクラブ作っちゃおうかな?」
「……はあ」
「森下先輩も入りますか? ファンクラブ」
「……ううん、私はいいよ」
あはは、と鈴菜は苦笑した。
これが1年だったら考えたかもしれないが、鈴菜はあと2か月で部活が終わる。
桜羽南高校では3年生の部活は6月までと決まっており、その後は大学入試のための補講などが始まる。
もちろん、ちょっと顔を出したりすることはできるだろうが、恐らく今のように時間を割くことはできないはずだ。
……あと2か月、か。
鈴菜は考えながら、廊下を歩いていった。