センセイと一緒【完】
「なんだ? お前ら。何か用か?」
「……」
この匂いの中で平然としているその姿が信じられない。
見ると、水道が備え付けられた実験机の上にシャーレと薬剤のようなものが並んでいる。
二人は片手で口元を覆いながら手にしていた進路調査票を柊史に渡した。
柊史はそれを見、眉を上げる。
「調査表か」
二人はコクリと頷き、用は済んだとばかりにそそくさと踵を返そうとした。
その時。
「ちょっと待った」
「……」
「お前達、ちょうどいいところに来たな。実験を手伝ってくれ」
見ると、実験机の傍にいる男子生徒達も期待に満ちた目で二人を見ている。
和泉は心底嫌そうな顔をしながら柊史を見た。
「手伝うって……。ていうか何なのこの匂い。一体何やってんの?」
「納豆菌のコロニーの生成だ」