センセイと一緒【完】



例え鈴菜があのことを思い出しても。リスクを冒してもいい。

そして思い出したら……真っ先に謝りたい。

鈴菜が許してくれるまで謝って……

そして、この想いを伝えたい。


「……」


あの遠い日。

……鈴菜の目尻から零れ落ちた涙。


恋だと気付いたのは、鈴菜が離れてからのことだった。

自覚したときには遅すぎた。

……遠い昔に失った恋。

けれどそれは去年の四月、思いもよらない形で尚哉のもとに舞い戻った。


しかし運命は残酷だった。

自分は教師で、鈴菜は生徒。

想いを告げることすら許されない関係。

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