センセイと一緒【完】
「頑張ったね、森下さん。総合順位もだいぶ上がったね」
「あ……うん。笠原君もすごいね、理系でトップなんて」
あれから、直樹と鈴菜はほとんど話していない。
クラスが分かれたため、話す機会が激減してしまったのだ。
あの夜のことも、あのキスも……
今となってはもう、確かめていいのかどうか……躊躇ってしまう。
久しぶりの会話に少し戸惑う鈴菜に、直樹は前と変わらぬ笑顔で話しかける。
「森下さんは、国立志望なの? それとも私立?」
「実はまだ、決めてないの。笠原くんは?」
「俺は国立かな。特進コースに進む予定だよ、今のところはね」
特進コース……
鈴菜は息を飲んだ。
そんな気はしていたが、やはり直樹はハイレベルな大学を受けるらしい。