センセイと一緒【完】
「実は俺、教職志望なんだ。N大の教育学部を狙ってる」
「そ、そうなんだ……」
N大学は隣の県にある大学で、全国でもトップクラスの難易度だ。
鈴菜が志望している大学とは遥かにレベルが違う。
なるほどと思う鈴菜に、直樹はにっこりと笑いかけた。
「頑張ろうね、お互い」
「うん」
直樹は鈴菜に笑いかけた後、踵を返して教室の方へと歩いていった。
その背を見つめ、和泉がはぁとため息をつく。
鈴菜は首を傾げた。
「どうしたの、和泉?」
「……いや、何でもないよ。……全く、どうすんだかアイツ……」
和泉は小声で何やらぼやくように言う。
鈴菜は怪訝そうな顔でそれを見つめた後、掲示板に視線を戻した。