センセイと一緒【完】



柊史は白いシャツと黒いフィットネスウェアを身に着け、緑の鉢巻を腕に巻いている。

普段はワイシャツに白衣という格好だが、こういう格好をすると体格の良さが際立ち、その立ち姿は思わず目を奪われるカッコよさだ。

……しかし、柊史は運動が得意なのだろうか。

などと思っている鈴菜の視線の先で、リレーがスタートした。


「……はやっ……」


鈴菜は驚きのあまり目を見開いた。

柊史は他の男子生徒を圧倒する速さで次の走者にバトンを渡した。

……考えてみれば、柊史は和泉の兄である。

和泉の運動神経を考えれば、柊史も相当運動神経はいいのだろう。

普段の姿からは想像つかないが……。


やがてリレーが終わり、障害物競争の後、玉入れが始まった。

ちなみに障害物競争は和泉がトップだった。

ネットやら平均台やらハードルやらを難なくくぐり抜け、和泉も驚異的な速さでテープを切った。

いろいろな部活に顔を出していた和泉は、こういう競技が得意らしい。


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