センセイと一緒【完】



玉入れに参加した鈴菜は、3年赤組女子の横に教員の集団がいることに気付き、眉を上げた。

中には尚哉の姿もある。

グレーの上下のウインドブレーカーを着た尚哉の姿に、鈴菜は思わず目を奪われた。

普段はスーツなので、こういう格好をするのは珍しい。

しかしもともと端整な顔立ちなので、何を着ても似合ってしまう。


「よーい、始め!」


掛け声とともに、玉入れが始まった。

鈴菜は転がっていた玉を拾い、籠に向かって投げた。

……が、籠がけっこう高い位置にあるので狙ってもなかなか入らない。

と、横を見ると。

尚哉が驚異的なスピードで、籠に向かって玉を投げていた。


「……!」



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