センセイと一緒【完】
3.蜘蛛の糸
午後。
昼食の後、鈴菜は最後のエントリー種目、借り物競争に参加していた。
号令とともに走り出し、コースの途中に置かれた紙を拾う。
……そこに書いてあったのは。
「眼鏡っ!?」
鈴菜は慌てて辺りを見回した。
今はコンタクト派が多いらしく、眼鏡をかけていそうな人は見当たらない。
……と。
一人だけ眼鏡を常時掛けている人を思い出し、鈴菜ははっと息を飲んだ。
紙を握り、とっさに走り出す。
「黒瀬先生っ!」
鈴菜は教員席に走りこみ、柊史の姿を探した。
……が、いない。
見ると。
柊史はタオルを片手に、校舎の方へと向かっている。
鈴菜は慌ててその後を追った。