センセイと一緒【完】
柊史は顔を洗った後らしく、タオルで無造作に顔を拭いている。
……水が滴る前髪、頬……
その色っぽい姿に、鈴菜は息を飲んだ。
眼鏡を掛けていないせいか、端整な顔立ちがより露わになっている。
「……誰だ?」
柊史は鈴菜の方を向き、声を上げた。
どうやら眼鏡を掛けていないので鈴菜の姿がよく見えていないらしい。
鈴菜は慌てて近寄った。
「すみません、黒瀬先生!」
「……お前か」
柊史ははぁと息をつくと、腕を組んで水道の縁に寄りかかった。
……その、怒っているような、呆れたような目。
鈴菜は内心で息を飲んだ。