センセイと一緒【完】



柊史の言葉に二人は目を見開いた。

……無茶苦茶すぎる。

しかし柊史は既にシャーレを顕微鏡にセットし、覗き込んでいる。

どうやら既に聞く耳は持たない様子だ。

鈴菜は戸惑いながらも、男子生徒達に言われるがまま椅子に座った。

その隣で和泉も仕方なさそうに椅子に座る。


「あー、ごめんね鈴、うちのバカ兄貴が……」


と和泉が言いかけた、その時。

顕微鏡を見ていた柊史が驚いたように顔を上げた。

そのまま眼鏡を取り、肉眼でもう一度顕微鏡を見る。

鈴菜は眼鏡を取った柊史の姿に思わずドキッとした。

柊史は眼鏡を取るとその端整な顔立ちがより際立つ。

……教師なのにこんなに色気があっていいのだろうか。

などと思っていた鈴菜に柊史が声をかける。


「おい、森下。見てみろ」


言いながら柊史は手招きする。



< 28 / 294 >

この作品をシェア

pagetop