センセイと一緒【完】
柊史の言葉に二人は目を見開いた。
……無茶苦茶すぎる。
しかし柊史は既にシャーレを顕微鏡にセットし、覗き込んでいる。
どうやら既に聞く耳は持たない様子だ。
鈴菜は戸惑いながらも、男子生徒達に言われるがまま椅子に座った。
その隣で和泉も仕方なさそうに椅子に座る。
「あー、ごめんね鈴、うちのバカ兄貴が……」
と和泉が言いかけた、その時。
顕微鏡を見ていた柊史が驚いたように顔を上げた。
そのまま眼鏡を取り、肉眼でもう一度顕微鏡を見る。
鈴菜は眼鏡を取った柊史の姿に思わずドキッとした。
柊史は眼鏡を取るとその端整な顔立ちがより際立つ。
……教師なのにこんなに色気があっていいのだろうか。
などと思っていた鈴菜に柊史が声をかける。
「おい、森下。見てみろ」
言いながら柊史は手招きする。