センセイと一緒【完】
至近距離にある、柊史の端整な顔、艶めいた瞳……
そして……
鼻先にふわりと香る、オリエンタルなホワイトムスクの香り。
――――その瞳から、目が離せない。
まるで、蜘蛛の糸に絡め取られていくように……。
目を真ん丸に見開く鈴菜に、柊史はその美しい唇で微笑った。
「眼鏡のレンタル料だ」
「……っ」
「もう少し遅ければ、こっちで払ってもらうつもりだったがな?」
と言い、柊史が指先でそっと触れたのは……
……鈴菜の唇。
頬をカッと赤く染めた鈴菜に、柊史は楽しげにくすりと笑った。
鈴菜の手から眼鏡を取り、素早くかける。
鈴菜は呆然と柊史を見つめていた。
……その時。