センセイと一緒【完】




ザッと靴の音がし、鈴菜は息を飲んだ。

見ると、体育館の角に人影が見える。

その人影は鈴菜が確認する前にさっと姿を消した。


「……?」


誰だったのだろう、今のは……。

けれど、もし今のを見られていたらまずいかもしれない。

鈴菜は慌てて後ずさり、柊史を見上げた。


「じゃあ私、そろそろ戻りますっ」

「……鈴?」

「失礼しますっ」


鈴菜は言い、体育館の方へと向かって駆け出した。



< 282 / 294 >

この作品をシェア

pagetop