センセイと一緒【完】




少し色素の薄いさらさらのショートカットの黒髪に、切れ長の瞳。

白皙の頬はシャギーの入った横髪に包まれ、その綺麗な輪郭を強調している。

白い肌によく映える鴇色の唇は優艶な笑みを刻み、切れ長の瞳と相まり一度見たら忘れられない類の面差しだ。

身体は細身で、そのしなやかな体をグレーのチェック柄のブレザーとズボンで包んでいる。

そしてほのかに香る、爽やかで甘いアクアノートの香り。

鈴菜の上に馬乗りになり、耳の両脇に手をついてじっと見下ろしているその人物は……。


「……和泉?」


鈴菜の声に、その切れ長の瞳が笑みの形になる。

……吸い込まれそうに美しいその瞳。

思わず呆然と見つめる鈴菜の顔に、その美しい顔が次第に近付く。


「きゃーっ、和泉様!!!」


中庭にいた女子生徒たちが金切り声を上げる。

……まずい。

と青ざめる鈴菜の頬に、その鴇色の唇がちゅっと音を立てて触れた。


「いやーっ!! 和泉様ぁぁーっ!!」


女子生徒たちの絶叫をものともせず、和泉は楽しげに鈴菜の頬に指を伸ばす。


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