センセイと一緒【完】
「もうすぐご飯だから、着替えてらっしゃい」
「はーい」
鈴菜は二階の自分の部屋へと上がった。
自分の部屋、とは言っても12畳の部屋を区切って姉と一緒に使っているため、厳密に言うと『自分の部屋』ではない。
鈴菜の机やベッドは部屋を入って左手にあり、右側には姉の机やベッドが並んでいる。
暖色系のカラーが多い鈴菜のスペースに対し、姉のスペースは寒色系のカラーが多い。
それは姉が大学院で物理を専攻していることにも関係しているのかもしれない。
昔から、鈴菜は文系で姉は理系だった。
「文系、か……」
鈴菜は先日提出した進路希望調査表を思い出した。
文系と一口にいっても、目指す大学によってどの教科を重点的に学べばいいのかは違ってくる。
今はまだ2年だが、来年は受験だ。
そろそろちゃんと考えた方がいいのかも……。
鈴菜は思いながら、鞄を置いて部屋着に着替え、下のリビングへと戻った。