センセイと一緒【完】
二章
1.王子VS王子
10月上旬。
中間試験の後。
鈴菜は和泉とともに廊下に貼り出された順位表を確認していた。
順位表は科目別になっており、1位から50位まで名前が出ている。
「あ、鈴菜見っけ!」
和泉は古文のリストの下の方に鈴菜の名前を見つけ、指さした。
ちなみに。
『芹沢和泉』の名前はリストの一番上にある。
「……」
下の方ならむしろ載せてくれない方がいいんだけど……。
と内心で思う鈴菜の肩を、和泉がばしっと叩く。
「頑張ったね、鈴! 何かご褒美あげるよ?」
「……何かって?」
「いちいち口で言わせるの? 鈴?」
そのどこか楽しげな妖艶な笑み。
どうしてこの笑顔を男性に向けないのか甚だ疑問だ。
と嘆息した鈴菜の横から、爽やかなテノールの声がした。