センセイと一緒【完】
鈴菜はひぃっと息をのんだ。
「羨ましいなら、笠原もしてみたら?」
「……っ?」
「でもあたし以上の男じゃなければ、鈴には指一本触れさせないよ?」
くすりと和泉は笑う。
楽しげな笑顔だが、直樹を見つめる瞳は真剣だ。
――――鈴菜を守るのは自分だ、という強い思い。
直樹はその視線の鋭さに思わず息を飲んだ。
「な、何言ってんの、和泉!?」
「あたしは鈴のボディガードだからね。ナイトともいうけど?」
自分でナイトと言うところが既に普通ではない。
はぁと鈴菜は呆れたように息をつき、肩を下ろした。
そんな二人を直樹の翳りを帯びた瞳がじっと見つめていた……。