センセイと一緒【完】
<side.和泉>
中間試験の結果を確認した後。
和泉は中庭に降り、ツツジの木が植えてある辺りに腰を下ろした。
ここは中庭の中でも少し奥まったところにあり、昼休みはいつもここで鈴菜が昼寝をしている。
これから和泉は弓道部に参加する予定だ。
「笠原、か……」
和泉は先ほどの直樹の表情を思い出した。
ひょっとしたら、まだ直樹自身は自分の気持ちに気付いてないのかもしれない。
……いや、もう気付いているのか?
もし気付いていないにしても、そう遠くない未来気が付くはずだ。
そして……鈴菜の気持ち。
鈴菜もまだはっきりと自覚しているわけではないのだろうが、このままいくと、多分二人は……。
「……」