センセイと一緒【完】



鈴菜は慌てて和泉を突き飛ばし、起き上った。

見ると、中庭にいた生徒全員がこちらを見ている。


「……っ!!」


顔を真っ赤にする鈴菜に、和泉がくすっと笑う。

実に楽しげなその笑顔。

鈴菜は肩を震わせ、自分より少し高い位置にある和泉の顔を睨み上げた。


「なっ……、なにすんの、和泉!?」

「なにって。鈴を起こそうと思っただけ。あと5分で授業が始まるけど?」

「……っ!」

「あたしは次の授業、当番だからね。もう行くよ?」


和泉は昇降口の方へと歩いていく。

鈴菜も慌てて立ち上がった。

その後ろで中庭にいた女子生徒たちが呆けたように呟いている。


「やっぱカッコいいわ、和泉様……」

「一度でいいから、あたしもちゅーされたい……」


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