センセイと一緒【完】




「何言ってんだ。こんな暑い日に外で走り回るなんて正気か?」

「じゃあ、体育館でバレーボールはどうですか?」

「体育館か。じゃあ空いてたらそうするか。だがその前に、決めなきゃならんことがある」


柊史は言いながら黒板に何やら書き出した。

相変わらずの綺麗な文字で黒板に大きく書いたのは……


『文化祭』。


柊史ははぁと息をつき、クラスをぐるっと見た。


「面倒臭いことこの上ないが、2年はクラスイベントが必須だ。とりあえず何でもいいから、思いついたものを挙げてくれ」


桜羽南高校の文化祭は10月に行われる。

出し物は部活単位のものとクラス単位のものがあり、2年ではクラスごとに何か出し物をすることが決まっている。

柊史の言葉にクラス中がざわついた。


「お化け屋敷」

「たこ焼き屋台」

「映画上映」


などなど、クラスメイトの間から次々と意見が飛び出す。

柊史はそれらを素早く黒板に書いていった。

が。


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