センセイと一緒【完】



一時間後。

学年部会は終了し、先生達は一人、また一人と職員室の自席へと戻っていった。

気が付くと、座っているのは柊史と尚哉だけだ。

立ち上がりかけた柊史に尚哉が声をかける。


「黒瀬先生」


その声に柊史は眉根を寄せた。

……胡散臭そうに尚哉を見る、その視線。

尚哉は平然とした顔でそれを受け止め、くすりと笑った。


「黒瀬先生のクラスは、文化祭で何をやるんですか?」


尚哉の言葉に、柊史ははぁと息をついて口を開いた。


「お前な。その気持ち悪いしゃべり方、いい加減やめろ」

「気持ち悪い? ……失礼ですね、僕は職場に相応しい話し方をしているだけですが」

「オレの前でそんな言葉を使う理由はねぇだろ?」


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