センセイと一緒【完】
「火傷か?」
「はい、ちょっとお湯が……」
「来い」
言い、柊史は鈴菜の首の後ろを掴んだ。
突然のことにびくっとする鈴菜に構うことなく、そのままぐいっとドアの方へと押しやる。
教室の中にいた客や、クラスメイト達が『なんだ?』と言いたげな視線を向けるが、柊史は構うことなく鈴菜を廊下へと連行する。
「くっ、黒瀬先生!?」
「黙ってついて来い」
廊下に出た柊史は鈴菜の首を掴んだまま、スタスタと歩いていく。
わけがわからないまま鈴菜は柊史に連行されていった。
そして着いたのは、先月、納豆菌コロニーを作成した理科実験室だった。
「そこに座れ」
言い、柊史は無理やり実験机の脇の椅子に鈴菜を座らせる。
困惑する鈴菜の視線の先で、柊史は奥の冷蔵庫から実験用の氷をビニール袋に入れて持ってきた。