センセイと一緒【完】
三章
1.写真に込められた想い
二日間の文化祭は盛況のうちに幕を閉じた。
火傷というアクシデントはあったが、柊史の手当てのおかげで大事には至らなくて済んだ。
……そして一週間後。
11月。
鈴菜は机に座ったまま大きく伸びをした。
今日は第一週目の土曜日で、鈴菜は朝から校外模試を受けていた。
さすがに一日ずっと試験だと緊張するし、疲れる。
既に試験は終わり、クラスメイト達は一人、また一人と帰り支度をして教室から出ていく。
ふぅと肩を下ろした鈴菜に、隣の席の直樹が声をかけてきた。
「森下さん」
「?」
「今日ってこの後、空いてる?」
鈴菜は頭の中で今日のスケジュールを思い出した。
今日は夕方からバイトがある。
鈴菜は水曜日と土曜日、駅前近くの喫茶店でアルバイトをしている。