センセイと一緒【完】
「……」
鈴菜は今回、掲示板は見たが申込用紙は出さなかった。
しかし……。
これを見ていると誰がどんな写真を欲しいと思っているのかがわかってしまう。
鈴菜は極力、事務的に写真を取り分けようとしたが……
「……あれ?」
鈴菜が映っている写真を全て希望した人がいる。
……なんとなく予想はつくが。
焼増申込用紙の氏名欄を見ると。
「やっぱり和泉……」
和泉は昔から鈴菜と撮った写真を几帳面にアルバムにファイリングしている。
大雑把な性格ではあるが、そういうところはわりとマメだ。
……そして、全てではないが鈴菜の写真を何枚か希望した人がもう一人。
鈴菜は驚き、思わず顔を上げた。
「……笠原君?」
鈴菜の言葉に、直樹ははっと顔を上げた。
そして、その爽やかな目を細めて照れたように笑う。