センセイと一緒【完】
「森下さんもやってみますか? 体験入部は大歓迎ですよ」
「えっ、ええっ……」
鈴菜は驚き、声を上げた。
尚哉は笑ってはいるが、瞳は真剣だ。
戸惑う鈴菜の前に、和泉がすっと体を割り込ませる。
……何かを意図するようなその動き。
内心で首を傾げた鈴菜の前で、和泉は口を開く。
「すみませんが白崎先生、実はこれから、あたしたちデートなんです~」
「……?」
「体験入部はまたの機会ってことで。じゃあ行こうか、鈴!」
言い、和泉は無理やり鈴菜を引っ張って更衣室の方へと歩いていく。
鈴菜はわけがわからないまま、和泉に引きずられていった。