センセイと一緒【完】
3.波乱の予感
翌日。
鈴菜は放課後、歴史研究部のため視聴覚室へと向かった。
その途中。
渡り廊下を渡ろうとした時、茶髪の女子生徒が鈴菜の行く手を阻んだ。
浜田さんだ。
「……っ」
足を止め、背筋を強張らせる鈴菜に、浜田さんはうっすらと笑いながら近づいてくる。
「ちょうどいいところにいたわね、森下さん」
「……浜田さん?」
「話したいことがあるの。ちょっとこっちに来てくれない?」
浜田さんは鈴菜の腕を掴み、強引に引きずっていく。
渡り廊下の手前にある女子トイレに押し込められ、鈴菜は息を飲んだ。
見ると、浜田さんの他にも3人ほど女子生徒がいる。
名前は知らないが、皆、直樹のファンのようだ。