センセイと一緒【完】



「いい? ……二度と直樹君に色目使うんじゃないわよ?」

「……っ」

「直樹君もきっと迷惑してるわ。あんたみたいな子に想われたって、迷惑なだけよ」


浜田さんの言葉が鈴菜の心を切り裂いていく。

やがて浜田さんたちは鈴菜を放り、女子トイレを出て行った。

一人残された鈴菜は思わずその場に蹲った。

涙がじわりと目尻に滲む。

脅された、ということより浜田さんに言われた言葉がショックだった。


色目を使っているように見えるのだろうか、自分は。

そして、直樹が迷惑している、と……。


「……っ」


胸が痛む。

もう鈴菜にもこの胸の痛みが何なのかわかっていた。

直樹と仲良くなれたのを嬉しいと思っていた。

直樹に可愛いと言われたとき、胸が熱くなるのを覚えた。


――――私は、笠原君のことが好きなんだ。



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